中小企業診断士

中小企業診断士とは?どんな仕事なのかを試験制度とともに解説

2021年10月28日

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中小企業診断士という資格を聞いたことがあるのですが、どんな資格なんでしょうか? わかりやすく教えてください!


この記事では「中小企業診断士」資格について解説します。


  • この記事で学べること
  • 中小企業診断士とは何かがわかる
  • 中小企業診断士の試験制度がわかる
  • 試験の難しさのポイントがわかる


  • 記事の信頼性
  • 働きながら、3年かけて中小企業診断士資格2年かけて社会保険労務士資格を取得
  • 現在は企業に勤めながら、「副業中小企業診断士 兼 副業社労士」の個人事業主として活動中。
  • 資格取得に苦労した立場から効率的な取得方法・活用方法などをお伝えしていきます。


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そもそも中小企業診断士とは?

結論から言えば、中小企業診断士は経営コンサルタント資格です。

資格は国家資格と民間資格に分かれますが、中小企業診断士は国家資格(国の法律に基づいて認められた資格)になります。

中小企業診断士は、中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家です。

中小企業者が適切な経営の診断及び経営に関する助言を受けるに当たり、経営の診断及び経営に関する助言を行う者の選定を容易にするため、経済産業大臣が一定のレベル以上の能力を持った者を登録するための制度です。

中小企業者が経営資源を確保するための業務に従事する者(公的支援事業に限らず、民間で活躍する経営コンサルタント)として位置づけられています。

(社)中小企業診断診断協会HPより



つまり、国から経営コンサルタントの能力を持っていると認められた専門家ということになります。



中小企業診断士になるには

ではその診断士になるにはどうすればよいのでしょうか?

中小企業診断士を目指すなら国家試験を受けよう

中小企業診断士になるには、まず筆記試験と面接試験を受け、合格しなければなりません

試験は、一次と二次に分かれており、一次合格者が二次に進むことができます。

各試験の概要はこの記事の後半で説明しますね。



中小企業診断士試験の合格率

中小企業診断協会のHPには、一次・二次の試験の状況が掲載されています。

一次試験の合格率は、令和前までは20%程度でしたが、ここ数年は合格率が高まっているようですね。


続いて二次試験の状況も見てみましょう。


二次の合格率は、おおよそ20%前後で推移していますね。

一次試験合格率20% × 二次試験合格率20% = 合格率4%


ストレート合格率は4%程度ですので、なかなかの狭き門ということになりますよね。


中小企業診断士試験の概要

それでは合わせて試験概要も見ておきましょう。

一次試験の科目と出題形式


一次試験は、複数選択肢から1つの正解を選ぶ「択一試験」です。全部で7科目出題されます。

  1. 経済学・経済政策  

  2. 財務・会計 

  3. 企業経営理論

  4. 運営管理(オペレーション・マネジメント)

  5. 経営法務

  6. 経営情報システム

  7. 中小企業経営・中小企業政策


科目数が多く大変そうですよね。。。



一方、二次試験は、記述試験+口述試験(面接試験)で、記述通過者のみが口述に進むことができます。

二次記述の内容は以下の通りです。

  1. 中小企業の診断及び助言に関する実務の事例Ⅰ(組織・人事)

  2. 中小企業の診断及び助言に関する実務の事例Ⅱ(マーケティング・流通)

  3. 中小企業の診断及び助言に関する実務の事例Ⅲ(生産・技術)

  4. 中小企業の診断及び助言に関する実務の事例Ⅳ(財務・会計)

一次に比べて科目数も少ないしなんだか簡単そうだね。



そう思われた方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。

実はこの試験は二次試験(特に記述試験)こそが大変なのです。

大変なのは二次試験

二次記述試験が難しいわけ


それでは、二次試験(記述)の何が大変なのでしょうか?それは主に以下の3点があげられます。

チェック

  • 一次試験を合格できる知識を前提にしていること

  • 正解発表がなく出題者の意図がわからないこと

  • 80分と限られた時間で回答しなければならないこと

二次記述は一言でいえば、「机上の経営コンサルティングを行う」ことです。


試験では、

①組織・人事面に課題を抱えている企業   = 「A社」

②マーケティング面に課題を抱えている企業 = 「B社」

③生産・技術面に課題を抱えている企業   = 「C社」

④財務・会計面に課題を抱えている     = 「D社」

の現状が、それぞれA4サイズ2~3ページ程度の文章で与えられ、制限時間各80分で各社の課題と解決案を提示していかなければなりません。

限られた時間の中で、出題者の意図をくみ取り、また制限字数にまとめる作業は大変です。「もう一度やれ」と言われてもできないかもですね。。。


なお記述は、毎年必ず20%前後の合格率で推移しているため、「上位20%が合格する相対評価の試験」とも言われています。

(公式の発表ではないんですけどね)

二次口述試験


記述通過者は、二次の口述(面接)へと進みます。

口述は、記述試験の事例企業について、複数の面接官から、

「A社はなぜ〇〇したと思いますか?」

「B社が〇〇した理由を述べてください」

など質問され、回答していきます。


こちらは、ほぼ100%近くの受験者が通過しているようですので、質問に何も回答しないなどでなければ、通過するのかもしれませんね。

口述を通過すれば、晴れて中小企業診断士試験の合格となります。

「中小企業診断士」を名乗るために必要なコンサルティング実務

無事に合格した中小企業診断士試験。

しかし公的に「中小企業診断士」を名乗るには、「コンサルティングの実務経験」が必要で、これを中小企業診断士制度では、「実務補修」および「実務従事」と言います。

「実務補修」と「実務従事」は、また別の機会に書きますがこれらがまた非常に大変です。
(「まだあるのか・・・」という感じですよね(-_-;))

まとめ

こちらの記事では、中小企業診断診断士について、その試験概要とともにお伝えしました。

これからも、診断士関連で少しでも役立つような記事をアップしていきますのでぜひご覧ください。

ポイント

  • 中小企業診断士は、経営コンサルタントの国家資格として国からお墨付きをあたえられている。

  • 試験は一次と二次があり、山場は二次の記述試験。一次・二次のストレート合格率は4%程度と難関資格の1つである。

  • 試験合格だけでは「中小企業診断士」は名乗れず、経営コンサルティングの実務を経なければならない。

お読みいただきありがとうございました。

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