「中小企業診断士はやめとけ」と耳にしますが実際のところ、診断士には価値はないのでしょうか?
aki good blogのあきっとです。
「中小企業診断士はやめとけ」、「資格を維持できない」、「中小企業診断士はうざい」、そんなネガティブな噂について、本記事は現役診断士が徹底解説。
年収の実態や将来性、そして診断士廃止の噂まで実態をお伝えします。資格取得に向け悩んでいるあなたはぜひご覧ください。
記事のポイント
- 中小企業診断士が「うざい」と言われる理由と背景を理解できる
- 資格をとったけど維持できない理由とその大変さを理解できる
- 中小企業診断士に向いてる人の特徴を把握できる
- 廃止の噂や将来性、年収の実態について理解できる
「中小企業診断士はやめとけ」と言われながら、20代で中小企業診断士試験の勉強を開始。一次試験は一発合格するも、2次試験を2年連続不合格。
試験休息期間を経て、8年振りの再々挑戦でギリギリ合格しました。この経験と現役診断士の立場から本記事を解説します、
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それでは見ていきましょう。
現役診断士が徹底考察!「中小企業診断士はやめとけ」と言われる理由
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中小企業診断士に興味を持った方は、「中小企業診断士はやめとけ」。こんな言葉を一度は耳にしたことがあるかもしれません。
大概この手の発言は、資格未保有で実態を知らない人がいうのですが、なぜ診断士資格にネガティブな花しがでるのか?現役診断士の立場から考察します。
それでは見ていきます。
記事内容
- 理由①:経営者から「うざい」と思われがち
- 理由②:資格を取ったけど活かせないとの意見
- 理由③:資格を維持できない大変さ
- 中小企業診断士を辞めた人:その理由とは
- 中小企業診断士に向いてる人:どんな人?
理由①:経営者から「うざい」と思われるがち
「やめとけ」と言われる1つ目の理由として、経営者や企業担当者から中小企業診断士が「うざい」「うるさい」と思われるているから。
いったいどういうこと?
中小企業診断士は、経営コンサルタントの国家資格です。
コンサルタントに対する批評において、「コンサルは実際の現場をわかっていない」「コンサルのいうことは机上の空論ばかり」、こんな言葉も聞いたことがあるかもしれません。
最初からネガティブなイメージを持っているケースや、また企業へのスポット支援のかかわりの中で、経営者との関係性やすれ違いが生じることもあります。
診断士は、経営のアドバイスを行いますが、経営者が自社のやり方に自信を持っていたり、長年の経験に基づく独自経営を信じている場合、外部アドバイスを「うざい」と感じることはどうしてもあり得ます。
小規模企業の場合には、全てご自身で管理していることも多く、外部専門家を不要としている人もいらっしゃいます。
このような経営者に、診断士が提案を行っても助言や提案が「余計な口出し」に感じられるケースもあるでしょう。
また、診断士は理論に基づいた提案を行うこともありますが、経営者の中には、直感で進めて成功しているケースも多いため、理論と現実のギャップに「うざい」と思われることが実際にはあるわけです。
とはいえ診断士の役割は、企業の経営を改善し成長をサポートすること。
もちろん、提案が成果に繋がれば最初の「うざい」を乗り越えることができ、信頼関係構築ができます。
理由②:「資格を取ったけどいかせない」との意見
理由2つ目は、「中小企業診断士資格はとっても活かせない」という意見。
主な理由は、資格取得してもそれだけで仕事がで得られるわけでなく、資格を活用できる環境や機会を自ら作り出す必要があるから。
つまり資格を活かすには、自身で仕事をとれる「営業力」も必要ということです。
診断士資格だけで、特定業務を独占できるわけではなく、自分の強みをどうアピールするかが重要になります。
この点、営業力やマーケスキルの不足は仕事がとれず「資格を活かせていない」と感じる人が出てきます。
また資格取得後、直面する課題の一つには実務経験不足もあります。
診断士は、経営を体系的に学べるため、理論的には良いアドバイスはできるはずですが、現場経験がないと現実と噛み合わないこともあり、結果「ただ資格を持っているだけ」と見なされるわけです。
同様に、企業内診断士の場合も、資格取得後すぐ経営戦略に関わるポジションに就けるわけではなく、すぐに活かせないこともあります。
このように「診断士資格を取ったもの活かせない」との意見は、実務経験の不足や営業力の欠如、または会社の理解不足などが原因となることが多いです。
資格を活かすためには、知識だけでなく実践的なスキルや積極的な行動が求められると言えるでしょう。
理由③:資格を維持できない大変さ
中小企業診断士の資格を取得すること自体も難易度が高いですが、取得後も資格維持の努力が必要です。
この「維持が大変」な理由には、「継続的な実務経験の積み重ねと更新要件」がありますが、詳しく見ていきます。
資格更新要件①:経営コンサルティング実務経験が必要
診断士の資格維持のためには、5年ごとの資格更新が必要です。
この更新の際に求められる条件として、実務経験を積むことが挙げられます。
具体的には、5年間で30日以上の経営コンサルティングや助言業務を行わなければなりません。
これを満たさないと、資格更新できず、資格が失効します。
特に、独立していない診断士(企業内診断士)や、本業で経営コンサルティング業務を行っていない人にとっては、機会を確保すること自体が難しく、維持のハードルが高いと感じることが多いです。
継続的な学習が求められる理由
更新要件以外にも、継続的な学習が必要だから。
中小企業診断士は、経営全般にわたる幅広い知識を持っていることが前提とされる一方、経営環境やビジネスのトレンドは年々変化します。
新しい知識を学び続けないと、少し前の知識は時代遅れになる可能性も。
特に、次の分野での変化が速いため、遅れを取るとコンサルティング業務に支障をきたすこともあります。
- ITやデジタル技術の進展
- デジタルマーケティングの動向
これらの分野に関する知識を常にアップデートし続けることが、診断士としての信頼を保つために重要です。
資格維持のための負担と時間確保の難しさ
忙しい本業を抱えながら、資格を維持するために必要な実務経験や学習の時間を確保することは大変です。特に、働きながら診断士の資格を活用している人にとっては、次のような負担があります。
- 平日の仕事に加えて週末や夜間に実務や勉強をこなす必要がある
- プライベートな時間が削られてしまう
実際にやってみると、それなりにハードだと感じます。
このように、資格を取得するだけでなく、継続的に努力を重ねなければならない点が、中小企業診断士の資格を「維持できない大変さ」として挙げられる理由です。
資格の維持には、計画的な実務従事と学習の継続が求められるため、資格取得後も長期的な努力が必要となります。
中小企業診断士資格取得を辞めた人:その理由とは
中小企業診断士は難解な試験のため、取得に至らず、試験挑戦を辞めてしまう人も少なくありません。その95%の理由が二次試験。
診断士試験は、択一の一次試験と記述+面接の二次試験に分かれます。二次試験の合格率は20%前後。
ただし、この20%は「一次試験合格者の中の20%」。そして「相対評価試験」と言われています。
つまり、一次試験合格者の中の上位20%しか二次試験に合格できないわけです。
その二次は記述試験ですが、公式正解が発表されず、そして何を聞かれているかがあいまいな試験。霧の中をさまよっているような感覚さえ覚えます。
そのため、試験に落ちても、何をどう修正すればよいかわからなくなってしまうわけです。
わたしも、この二次試験を2年連続不合格のすえ、3回目でどうにかギリギリで合格できましたし、また実際に多くの勉強仲間が診断士試験を辞めていきました。
この難関を乗り越えれば、診断士合格が見えてきます。
中小企業診断士に向いてる人:どんな人?
では診断士に向いている人はどんな人でしょうか?それにはいくつかの特徴があります。
資格取得後に成功するためには、特定のスキルや志向は重要要素です。
以下のポイントに該当する人は、中小企業診断士として活躍できる可能性が高いです。
1. 経営に興味があり、分析力に優れている人
中小企業診断士は企業の経営を診断し、改善策を提案する仕事です。そのため、経営に関する知識があることはもちろん、企業の課題を発見し、論理的に解決策を考えられる分析力が必要です。数字やデータを基に戦略を練ることに興味がある人、さまざまな業種のビジネスモデルを理解しようとする姿勢を持っている人に向いています。
2. コミュニケーション能力が高い人
中小企業診断士の業務では、経営者や従業員と直接対話し、会社の実情を聞き出すことが不可欠です。また、改善策を提案する際には、難しい専門知識をわかりやすく伝え、納得してもらう必要があります。コミュニケーションが得意で、相手の立場に立って説明できる人は、診断士としての活動がスムーズに進みやすいです。
3. 自主的に学び続ける意欲がある人
中小企業診断士は、資格取得後も学び続けることが重要です。経営やマーケティング、IT技術など、ビジネスの世界は常に変化しており、新しい知識やトレンドを取り入れる必要があります。資格取得をゴールと考えず、その後も自主的に学び、自己成長に努められる人は、中小企業診断士の世界で長期的に成功できるでしょう。
4. 問題解決に情熱を持っている人
企業の課題を解決することにやりがいや興味を感じる人も中小企業診断士に向いています。クライアントの経営問題を分析し、解決策を提供する仕事は、時に困難を伴いますが、解決に導いた時の達成感は大きいです。問題解決のプロセスにやりがいを感じる人や、企業を支援して成長させることに貢献したいという熱意がある人には、非常に向いている資格と言えるでしょう。
5. 独立志向や自営業に興味がある人
将来的に独立して自分の事業を始めたいと考えている人も、中小企業診断士は一つの選択肢になります。診断士としての知識を活かしてコンサルティング業務を行うことで、自らが経営者となり、自由な働き方を選べます。独立に向けた準備をしている人や、フリーランスとして経営に携わることに興味がある人にとって、中小企業診断士の資格は大きな助けとなるでしょう。
このように、中小企業診断士に向いている人は、経営に興味を持ち、分析力やコミュニケーション能力に長け、学び続ける姿勢と問題解決への情熱を持っている人です。さらに、独立を視野に入れている人にも向いている資格です。
中小企業診断士はやめとけ?それでも挑戦する価値はある
ここからは、そんな中小企業診断士の実情を確認しましょう。
内容
- 資格取得者のYahoo知恵袋口コミをチェック
- 中小企業診断士が廃止されるというのはデマ
- 中小企業診断士に将来性はあるか
- 年収データから見る中小企業診断士の現実
- 完全独学はやめとけ、その理由とは?
資格取得者のYahoo知恵袋口コミをチェック
ここでは、実際に診断士資格を取得した人のYahoo知恵袋上の口コミを紹介。資格取得後の実態について確認していきます。
中小企業診断士へのネガティブな口コミ
〇全く役に立たないです。大企業に勤めていたので会社辞める気か❓と、しつこく何度も聞かれ逆効果。
国や自治体の経産省系の公共的な業務を個人で受託するための実質的な免許だけど、そのような仕事がしたいなら最初から公務員になる方が合理的です。公共の仕事で実績を積んで複数の民間企業と顧問契約できたら、同世代の会社員の収入を大きく超えて医者並みになるけど資格ではなく本人の実力です。
この質問、学生さんからのものとして回答するけどしっかりと本来の勉強して好成績で給料の高い会社に就職する方が資格なんかより合理的です自分の子供にもやめとけと言いました。
中小企業診断士へのポジティブな口コミ
〇民間企業勤務です。幸い私の勤務先は中小企業診断士に理解があったことが大きいです。
職位が上がりました。収入がアップしました。
非公式ですが、そこそこの肩書付で最低70歳まで働けます。勤務時間の変化、学習した知識を生かし、職場は仕事の段取りやレイアウト変更・共通データ管理化・作業効率化を進めて、自分の部下を減らした(減った部下は他の職場に異動)上で、部下は全員、定時退社を実現、私自身も2時間超の残業が1時間程度までに減少しています。学習成果おかげで自社・顧客の企業等の課題や改善効果を考慮して話せますので、社内においては会議や提案が通り易いです。
対顧客において、中小企業の社長からは一目置かれています。
社長に提言、見解等で話す機会が多いです。
自分自身の人生設計の幅は拡がりました。今の会社で勤務し続ける人生、退職して気に入れられている顧客先でそれなりの待遇で転職する人生、中小企業診断士として独立する人生(独立中小企業診断士仲間と情報知識を共有)等の人生のカードを持っています。
中小企業診断士に限らず、取得した資格を活かすか否かは人それぞれかと思います。
〇資格取って10年経ちます。
2回転職しているので、役に立ってますね。自分はかなりブラックな企業に勤めてました。上司のパワハラがひどく、資格取得の為に勉強している時も嫌がらせをされました。
「お前はやるこたの順番を理解していない。段階を踏んで簿記からやるべきだ」とか、昼休みに勉強してたら資格取得目指していることが上司にばれて、昼休みまでそんな説教をされて、勉強の時間を奪われるなど、かなりひどい上司でした。日常的にそういう嫌がらせのような事が多い上司が何名かおり、かなり苦労してました。怒鳴り散らすとか、暴言を吐くとか当たり前でしたね。
資格取得しても転職するつもりなかったのですが、転職して以前より給料もあがり、パワハラもなく、定時であがれ職場環境は快適になりまたセミナー講師などもして楽しんでます。
〇私は転職して、コンサルタントの仕事が出来るようになりました。
〇役に立ってます。コンサルできるし!
いかがでしょうか。資格取得後の経験は人それぞれであり、ポジティブな意見もあればネガティブな意見もあります。
資格を活かせるかどうかは、環境や取り組み方次第で大きく変わることがわかります。
中小企業診断士が廃止されるというのはデマ
「中小企業診断士が廃止される」。。。結論これはデマです。
中小企業診断士は、経済産業省が所管する国家資格であり、中小企業の経営をサポートする専門職として長年の歴史と実績があります。
資格が廃止される可能性は現在のところなく、むしろ中小企業の経営支援において重要な役割を果たし続けています。
こうした「廃止される」という噂が生まれる背景には、時折「資格の価値が低下している」「診断士の仕事が減っている」といった意見があることが影響している可能性があります。
しかし、これらの意見は資格そのものの有効性や必要性を否定するものではなく、むしろ競争の激化や資格取得後の活用方法に対する不安を反映しているに過ぎません。
実際、中小企業診断士は日本の中小企業を支援する重要な役割を担っており、その需要は根強いものがあります。
中小企業の経営環境は日々変化し、新たな課題に直面しています。例えば、デジタル化の推進やグローバル化に伴う経営戦略の見直し、事業承継問題など、中小企業が取り組むべき課題は多岐にわたります。これらの課題に対して、中小企業診断士は的確なアドバイスを提供することで、企業の成長をサポートし続けています。
さらに、中小企業診断士の制度そのものが見直される動きはなく、今後も継続して資格の価値が認められています。
経済産業省の後援を受けるこの資格は、国の経済政策とも連動しているため、資格の廃止が議論される可能性は非常に低いと考えられます。
以上より、「中小企業診断士が廃止される」という噂は、単なる誤解やデマに過ぎません。
資格を活かして活躍するためには、その噂に惑わされず、自らのキャリア形成をしっかりと考えていくことが重要です。
中小企業診断士に将来性はあるか
1. 中小企業診断士の需要は根強い
中小企業診断士は、特に日本経済の屋台骨を支える中小企業にとって、欠かせない存在です。中小企業は全企業の約99%を占めており、その多くが経営や財務、人材管理など、様々な課題を抱えています。こうした課題に対して、中小企業診断士は経営アドバイスや改善提案を行うことで企業の成長をサポートしています。そのため、今後も中小企業の存続と発展が求められる限り、中小企業診断士の役割は引き続き重要とされるでしょう。
2. DX推進や事業承継問題に対するニーズが高まる
昨今では、デジタルトランスフォーメーション(DX)や事業承継問題など、新しい経営課題に対応するための診断士の需要が高まっています。多くの中小企業は、ITの活用やデジタル化の遅れが業務効率や成長の足かせとなっており、これらの課題に対して専門的な助言が求められています。特に、診断士がITスキルやデジタルマーケティングの知識を持つことで、従来の経営改善に加え、より先進的なアドバイスを提供できるようになれば、診断士としての価値はさらに高まるでしょう。
また、日本では高齢化が進み、今後10年~20年の間に多くの中小企業が事業承継のタイミングを迎えます。これに伴い、事業承継のプロセスや後継者育成に関するコンサルティング業務が重要視され、中小企業診断士が果たす役割はさらに大きくなります。
3. コンサルティング以外のキャリアにも応用が利く
中小企業診断士の資格は、独立してコンサルティング業務を行うだけでなく、一般企業においても活用できる知識やスキルが多く含まれています。経営企画や戦略立案、マーケティングなど、診断士が持つ経営に関する知識は、企業内でのキャリアアップにも役立ちます。特に、企業内診断士として働くことで、安定した収入を得ながら経営に深く関与することが可能です。
4. 競争は激化するが、専門性が差別化の鍵となる
一方で、中小企業診断士は競争が激しい業界でもあります。資格を持つ人は増加しているため、単に資格を持っているだけでは差別化が難しくなりつつあります。しかし、特定の分野で強みを持つことができれば、その分野での信頼を得やすくなり、専門性の高いアドバイスが求められるようになるでしょう。例えば、IT、デジタルマーケティング、財務、人材管理など、自分の得意分野を伸ばすことで、他の診断士との差別化が図れます。
5. 将来性を高めるためには学び続けることが重要
中小企業診断士の資格を活かして成功するためには、資格取得後も学び続けることが求められます。経営やマーケティングの世界は日々進化しており、常に最新の知識をアップデートすることが必要です。また、実務経験を積み重ねることで、理論だけではなく実際に効果を上げるアドバイスができるようになります。自己成長を続けることで、将来のキャリアはさらに広がるでしょう。
このように、中小企業診断士の資格には将来性がありますが、それを最大限に活かすためには、専門性を磨き、常に学び続ける姿勢が重要です。資格そのものが成功を約束するわけではなく、自らの努力と工夫が成功に繋がる鍵となるのです。
年収データから見る中小企業診断士の現実
中小企業診断士の年収は、資格取得後のキャリアや働き方によって大きく異なります。ここでは、一般社団法人中小企業診断協会が公表した「中小企業診断士活動状況アンケート調査」(令和3年)を参考に、その現実を詳しく見ていきます。
まず、年収区分とその回答数を以下に示します。
年収区分 | 回答数 | 構成比(%) |
---|---|---|
300万円以内 | 83 | 14.3 |
301~400万円 | 51 | 8.8 |
401~500万円 | 58 | 10.0 |
501~800万円 | 124 | 21.4 |
801~1,000万円 | 66 | 11.4 |
1,001~1,500万円 | 89 | 15.4 |
1,501~2,000万円 | 39 | 6.7 |
2,001~2,500万円 | 25 | 4.3 |
2,501~3,000万円 | 16 | 2.8 |
3,001万円以上 | 28 | 4.8 |
このデータを見ると、最も多い年収層は「501~800万円」で、全体の約21.4%を占めています。また、年収1,000万円を超える中小企業診断士も34%とかなりの割合です。一方で、年収300万円以下の人も14.3%存在しており、診断士の年収は個人の活動内容によって幅広いことが伺えます。
年収1,000万円以上の割合
特筆すべき点は、年収1,000万円以上の中小企業診断士が全体の3割以上であることです。これは他の職業に比べても高水準であり、中小企業診断士が高い収入を得る可能性を秘めている資格であることがわかります。ただし、前回調査(2016年)では1,000万円以上の割合は38%でしたが、最新のデータでは34%に減少しています。それでもなお、3,001万円以上を稼ぐ診断士が約5%存在する点は、この資格が成功次第で非常に高収入を狙える資格である証拠です。
年収に差が出る理由
中小企業診断士の年収に大きな差が出る理由の一つは、働き方の多様性です。独立してコンサルタント業務を行う人もいれば、企業に勤める診断士、またパートタイムで働く人もおり、その就業形態によって年収は異なります。特に、独立してコンサルティング業務を100%自己営業で行っている場合、自分の営業力やネットワークの広さに年収が大きく左右されます。一方、企業内診断士として働いている場合は、安定した収入を得られるものの、年収の上限は比較的低くなりがちです。
年収を上げるためのポイント
専門性の高い分野に特化することが年収アップに繋がります。例えば、デジタル化が進む現代において、ITやデジタルマーケティングの知識を備えている診断士は高く評価され、より高収入の案件を得やすくなっています。また、財務や人材マネジメントに特化した診断士も、多くの企業に求められ、特定分野に強い専門家として活躍できるでしょう。
また、ダブルライセンスの取得も効果的です。中小企業診断士の他に、公認会計士や税理士などの資格を保有していると、さらなる年収アップを目指せます。特に財務や会計の知識は、中小企業診断士の業務とも密接に関連しているため、相乗効果を生むことができます。
中小企業診断士の年収は、300万円以下の人もいれば、1,000万円を超える人も多く、その差は非常に大きいです。この違いは、主に働き方や専門分野、営業力によって生まれます。高収入を得るためには、専門分野に特化したり、他の資格を併せ持つなど、自分の強みをしっかりと磨くことが重要です。資格自体が収入を保証するわけではありませんが、自らのスキルを活かし努力を続ければ、診断士として高い年収を実現することも十分可能です。
人生変わるのか:資格取得のメリット・デメリット
中小企業診断士取得で人生は変わるのか?
そんな疑問に答えた記事がありますのでそちらもご覧ください。
完全独学はやめとけ、その理由とは?
中小企業診断士の資格を目指す際に「完全独学で合格を目指したい」と考える人もいますが、多くの専門家や合格者の意見では、完全独学はおすすめできないというのが一般的な見解です。その理由はいくつかあります。
1. 試験の範囲が非常に広い
中小企業診断士試験は、経営戦略、マーケティング、財務、法務、IT、組織論など多岐にわたる分野から出題されます。1次試験では7科目、2次試験では経営分析と実践的な事例問題が出されます。このように、扱う分野が非常に広く、それぞれの分野で専門的な知識が求められるため、独学では全ての分野を網羅するのが難しくなります。
さらに、それぞれの科目には深い理解が必要です。特に、財務や会計の知識は、中小企業診断士試験の中でも非常に重要な分野です。独学では学び方に迷うことが多く、試験の過去問題だけでは対応しきれない可能性があります。
2. 最新の試験傾向や問題に対応しづらい
中小企業診断士の試験は、毎年出題傾向が微妙に変わることが多く、過去問題だけでは最新の傾向に対応できない場合があります。試験対策の学校や通信講座では、毎年の出題傾向に基づいてカリキュラムを組んでおり、最新の知識を効率よく学べるのが強みです。
独学では、試験情報を自ら収集する必要があり、適切な教材を選ぶことや学習計画の立案に時間を取られがちです。さらに、独学での勉強は過去の問題に偏ってしまい、出題傾向の変化に対応しづらいというデメリットもあります。
3. モチベーションの維持が難しい
中小企業診断士の資格取得には、1,000時間以上の勉強が必要とされています。これは、働きながら資格取得を目指す人にとって大きな負担となる時間です。独学で取り組む場合、モチベーションを持続させるのが困難になることが多く、途中で挫折してしまうリスクが高まります。
試験対策の講座や予備校では、定期的な授業や模試があり、自分の学習進捗を確認できるだけでなく、他の受講生と交流することで刺激を受けたり、モチベーションを維持するのに役立つ場があります。独学ではそのような外部からの支援がないため、自らのペースでコツコツ勉強し続ける強い意志が必要です。
4. アウトプットや実務的な知識の不足
中小企業診断士の試験では、特に2次試験において実践的な知識が問われます。試験対策講座では、事例問題に対する具体的な回答方法や、実務に即したアプローチを学べるため、より効率的に試験対策が進みます。しかし、独学ではそれらの実践的な知識を得ることが難しく、アウトプット練習が不足しがちです。
特に、論述やケーススタディといった形式の試験では、自分の考えをわかりやすくまとめる力や、実務に即した解答を導き出すための思考訓練が重要です。独学ではそのトレーニングが不足し、結果的に2次試験でつまずくことが多いです。
結論:効率的な学習を目指すならサポートを活用するのがベター。
中小企業診断士の資格を独学で目指すことは、理論的には可能ですが、効率や効果の面では多くのハードルがあります。特に、幅広い試験範囲をカバーし、実践的なアプローチを学ぶためには、通信講座や予備校などのサポートを活用するのが賢明です。これにより、学習効率を高めるだけでなく、最新の試験情報に基づいた対策を行い、モチベーションを維持しながら合格に向けて確実に進めることができます。
したがって、完全独学はやめとけと言われる理由には、効率性と実務的な対応力を含めたさまざまな問題があるのです。
総括:中小企業診断士はやめとけ?それでも挑戦する価値のまとめ
- 中小企業診断士はやめとけ?それでも挑戦する価値のまとめ
- 経営者に的確なアドバイスを提供し信頼を得られることがある
- 資格を活かしてキャリアアップを実現した人も多い
- 継続的な学習により常に最新の知識を得られる
- 実務経験を積めば、資格が大いに役立つ
- 営業力やマーケティングスキルで独立の道も開ける
- 資格を活かせる場が広がれば、仕事の幅も広がる
- 理論を実務に活かす力が身につくことで成長できる
- 5年ごとの更新でスキルを維持し続けられる
- 企業内でのポジションアップにもつながる
- 独立すれば自由度が高く、多様な働き方が可能
- 高収入を実現した中小企業診断士も多い
- 専門分野に特化すれば他との差別化が可能
- DXや事業承継など、今後も成長分野が多い
- コミュニケーションスキルを高められる職業
- 中小企業の成長支援に貢献できる