中小企業診断士資格で人生変わるのでしょうか?メリット・デメリットについて、20代・30代の実体験を交え具体的に教えてください。
本記事は、20代・30代で中小企業診断士資格へ挑戦しようか迷っているあなたへ、メリット・デメリットを実体験からお伝えしていきます。
この記事で学べること
- 中小企業診断士資格に20代・30代で挑戦することのメリットがわかる
- 中小企業診断士資格挑戦のデメリットとその解決策がわかる
- 中小企業診断士で人生変わるかどうかわかる
20代で中小企業診断士に挑戦。二次試験へ2回挑むも不合格。
30代、8年振りの再々挑戦で合格。
3回の挑戦でわかったメリットとデメリットをお伝えします。
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初めて中小企業診断士に挑戦|20代で体感したメリット
わたしは20代後半で中小企業診断士の勉強を開始。
まずは20代の診断士資格勉強で感じたメリットをお伝えしますね。
20代のメリット①|ビジネススキルアップ
メリット1つ目は、「ビジネススキルアップ」。
一次試験の経営7科目学習と二次試験の4つの事例の課題解決。
これだけで相当な力をつけれるし、20代から経営の知識と思考力を高めることで、間違いなく同年代と差をつけ有利になります。
中小企業診断士試験範囲
■1次試験範囲|7科目
(1)企業経営理論
(2)運営管理
(3)経営法務
(4)経営情報システム
(5)財務会計
(6)中小企業経営・中小企業政策
(7)経済学・経済政策
※平均60点以上で合格
■2次試験範囲|4事例
(1)組織人事の事例
(2)マーケティングの事例
(3)生産技術の事例
(4)財務会計の事例
スキルアップ例を挙げると、【戦略思考、経営視点、環境分析(強み・弱みの把握)、業界・業種調査能力】の獲得などありますが、大きくは、①一次試験を通じた経営の幅広い知識獲得、②二次試験を通じた論理的思考力の修得、の2点。
20代のメリット②|優秀な先輩との交流
メリット2つ目は、優秀な社会人先輩たちと交流できたこと。
当時、資格予備校へかよってましたが、受験生仲間10数人のうち、20代は自分含め二人のみ。
一般的に20代で診断士を目指す人がそもそも少ない状況。周りは年上ばかりなので、かわいがってくれるんですよね。
会社と違い上司でもないので、飲み会しても変な面倒もない。
いろいろ聞けば人生経験豊富な先輩がアドバイスしてくれる。こんな環境はなかなかありません。
もちろん予備校だけでなく、合格者も20代はやはり少ないので同じ。ちなみに下記は年齢別の合格者データです。
年齢 | 申込者数 | 合格者数 |
---|---|---|
20歳未満 | 15 | 2 |
20~29 | 1,112 | 283 |
30~39 | 2,756 | 687 |
40~49 | 2,708 | 416 |
50~59 | 1,983 | 193 |
60~69 | 579 | 19 |
70歳以上 | 370 | 0 |
合計 | 9,190 | 1,600 |
若いうちから取得を目指すこと、勉強しておくのはおすすめです。
20代のメリット③|事業会社への転職成功
メリット3つ目は、転職の成功。
20代後半に開始した診断士学習でしたが。初年度に一次試験通過するも、二次は二年連続不合格。
当時のわたしは診断士資格取得を機に転職しようと考えてました。
しかし目論見はずれ二年連続不合格。それでも転職活動に踏み切ったのです。
少しでも採用可能性が高まるならと、履歴書には「中小企業診断士一次試験合格」と記載し面接でアピール。意外にも多くの面接官からは高評価でした。
人材紹介エージェントの力を借り、事業会社から事業会社への転職活動を実施。見事に希望先へ就職。年収アップ・キャリアアップを図ることができました。
中小企業診断士は、試験が一次・二次でわかれてます。
資格取得まで勝ち取れずとも、経営全般を学ぶ「一次合格」のアピールで職種とわず転職活動を有利にもできるんです。
8年ぶりに挑戦|30代の中小企業診断士取得で感じたメリット
プロフィール記載のとおり、二次連続不合格を機に、いったん診断士の勉強から離れることに。
8年振りに再々挑戦し、何とか合格できました。ここでは、30代で取得したメリットをお伝えしますね。
30代のメリット①|人的ネットワーク(人脈)が広がる
30代で診断士取得し驚いたのは、 多くの人との出会い。
取得後、都道府県の中小企業診断協会や、研究会へ加入すればさまざまな診断士と交流でき、会う人がみな優秀なことに驚きます。
そうやって増えた人的ネットワークがさらに誘いを呼び、、、という感じで急速に人脈が拡大しました。
独立診断士の中には、人脈形成に注力し、顧客や担当者を紹介してもらえたりと仕事獲得している人もいるほどです。
30代のメリット②|副業で収入アップ
メリット2つ目は副業の開始。
診断士になると、勤務しながら副業のチャンスがあります。
わたしは副業開始後に個人事業主として開業。最初は月に数万円程度だった収入も、数年後に多い月で40万を超える月も出てきました。
副業については、別記事にまとめてあります。
副業も診断士取得のメリットの1つと言えるでしょう。
30代のメリット③|コンサル会社への転職内定
メリット3つ目はコンサル会社への転職。
20代の転職は、事業会社から事業会社へ。診断士取得後はコンサル会社を中心に活動しました。
結果ですが、独立系の専門コンサル会社からコンサルタント職として内定を頂くことができました。
コンサル転職に診断士資格が意味あるか?について意見は分かれるところですが、結論「狙う先による」。
外資の総合ファームなど、ほぼ意味ないと思います。資格よりとにかく頭の良さを図るのみ。
一方で日系の独立系コンサル会社なら話は別。実際indeedなどの検索で「中小企業診断士歓迎」の求人が見つかりますよね。
また、商工団体所等の支援機関は、募集要件が「中小企業診断士尚可」となっていることも。診断士独占ではないものの、転職はかなり有利に進められますよ。
MBAと中小企業診断士はどちらにメリットがある?|制度変更を解説
MBAと中小企業診断士の取得で悩んでいます。双方魅力的ですがどっちにメリットがあるか教えてください。
こんな悩みも聞きますが、MBAと診断士、実際どちらにメリットがあるのでしょうか。
目指す方向によって変わるメリット
まず結論ですが、「どういうビジョンを持っているかによる」というのが回答。
診断士は、中小企業支援策(補助金や助成金)の活用や、商工会議所などの支援団体・税理士・弁護士等と連携して企業を支援する国家資格を持つ専門家。
士業は、国策で活躍の場を設けようとするため、資格あるからこそ得られる仕事もあります。
一方、MBAはケーススタディなどをとおし経営を学び、どちらかといえば大企業等社内で活躍といったイメージになります。
また両者は費用にも違いが。MBAは数百万なのに対し、診断士なら予備校費用で高くとも30万程度。
日本国内の中小経営者支援に注力したいか、大企業やグローバル企業で活躍したいかで自身にとってのメリットも変わり、どちらを選ぶべきか自ずと見えるのではないでしょうか。
朗報|中小企業診断士一次試験合格者に与えられる名称
令和3年、制度変更により中小企業診断士一次試験合格者への名称付与が定められました。
■一次試験合格者への名称付与について
第一次試験につきましては、中小企業診断士となるのに必要な学識を有するかどうかを判定することを目的に、
出典:中小企業庁ホームページ 「中小企業診断士 第一次試験合格者(科目合格者含む)の皆さまへ」
・経済学・経済政策
・財務・会計
・企業経営理論
・運営管理(オペレーション・マネジメント)
・経営法務
・経営情報システム
・中小企業経営・中小企業政策
と7つの科目で構成され、一部の他資格等による科目免除要件を除き、合格した第一次試験の行われた年の初めから3年以内に全ての科目を合格することが必要です。
これらの科目は、企業経営等に関する基本的分野を網羅しており、受験者に対して経済・経営分野を中心に多岐にわたる分野において知識を有することを求めております。
中小企業庁としましては、上記7つの科目の一部でも科目合格することは、その当該科目の知識を修得していると評価されるべきと考えております。そのため、今後、履歴書の資格欄などに記載する場合には、第一次試験合格者(科目合格者含む)の方は、下記のように記載下さい。
ただし、記載する場合は、当該試験合格の有効期間内のみが適用となりますので、ご注意ください。
記載例
・第一次試験一部科目合格者:▲▲年度中小企業支援科目合格者(科目名)
・第一次試験全科目合格者 :■■年度中小企業診断修得者
このように、一次試験合格者が履歴書等に正式に書けるようになってます。
また最近は、大学院MBAコースの「中小企業診断士養成課程」が全体的に人気。修了を条件にMBAと診断士が取得可能に。
「どちらにも興味があるんだけ・・・」。ならばこんな選択肢も検討できます。
どの大学院に診断士養成課程があるかは、スタディサプリなどネット検索で確認できるのでチェックください。(下図参照)。
◎スタディサプリ公式ホームページ(https://shingakunet.com/syakaijin/)
↓トップページの検索バーに「中小企業診断士」を入力。
↓すると、検索結果表示されます。そのまま資料の一括請求も可能。
中小企業診断士はAIに代替されない士業というメリットも
野村総合研究所がオックスフォード大学の教授らと実施した共同研究を紹介します。
この研究では、「10~20 年後、日本の労働人口の約49%が就いてる職業で人工知能やロボット等で代替される」との試算が出されてます。
それが以下の表。
代替可能性が高い職業 | 代替可能性が低い職業 |
---|---|
・会計監査係員 | ・中小企業診断士 |
・教育・研修事務員 | ・経営コンサルタント |
・行政事務員(国・県市町村) | ・産業カウンセラー |
・経理事務員 | ・商品開発部員 |
・人事係事務員 | ・法務教官 |
・通関士 など | ・コピーライター など |
いかがでしょうか。
公認会計士に代表される会計監査や、経理・人事事務手続き(税理士や社会保険労務士)などの職種は代替可能性が高く、中小企業診断士や経営コンサルタントの代替可能性は低い。
いまから目指したい人にとってこれも朗報ですね。
中小企業診断士資格3つのデメリットとその解決策
3回の挑戦を経て感じた中小企業診断士資格のデメリットについて載せておきます。
デメリット①|「膨大な勉強時間が必要」の解決策
まずデメリット1つ目は、資格取得まで多大な時間とコストがかかること。
独学ならもちろんコストは抑えれます。
しかしこれまで100人以上診断士に会った中で、完全独学合格者は1人だけでした。それくらい独学は厳しいと思ってください。
ストレートで一次・二次を合格できればベストですが、腰をすえ勉強する覚悟も必要。
解決方法は、効率的な学習環境を用意すること
当ブログ内では、一次試験おすすめ過去問教材や二次対策テキスト・問題集も紹介してますが、通信講座は活用すべきです。
昨今コスパに優れた優良講座がたくさん出てます。良し悪しありますが、感じ方は人それぞれ。
まずは自身が無料体験して判断していくことをおすすめします。
デメリット②|「診断士業務が受注できない」の解決策
デメリット2つ目は、資格取得しても診断士を活かした仕事がまったくできないことでした。
8年ぶりに試験に挑みどうにか合格。
モチベーション高く診断士業務につきたかったのですが、一向に仕事は得られず。
最大の理由は「実績がない」こと。
補助金業にしても講師業にしても、やはり「実績ある人」に任せたいもの。なりたての診断士には信頼もなく仕事は来ませんでした。
結論、仕事獲得の近道は「実績」。わたしも執筆の副業実績を積み、それを切り口にアピールすることで少しづつ仕事が増え月40万を稼げるようにまでなりました。
デメリット③|「資格維持コストが高い」の解決策
デメリット3つ目は資格維持コスト。
資格取得後は5年ごとに更新しなければなりません。そのための要件は、①「実務従事(=コンサルティング実務)」、②「理論研修(=座学研修受講)」の2つをクリアすること。
費用はざっくり、実務従事が50,000円×6回、理論研修は6,000円×5回で計33万程。
更新しなければ最悪失効もありえるため、忘れず対応したいところ。
本業があまりに忙しいと、更新せず期間満了もありえるなのでご注意を・・・。
理論研修受講は確実に費用が発生するものの、「実務従事」は人脈を広げることで、無料でコンサルティングの場を提供してもらえます。
資格取得後の人脈づくりも非常に重要ですね。
中小企業診断士で人生変わるのか|結論:人生は変わる!
さてここまで中小企業診断士取得のメリット・デメリットを述べました。
中小企業診断士で人生は変わるのか?答え、40代になる前に取得したわたしの場合は「人生が変わった」と言えます。
8年越しで取得したので、何かしら変わらないと困りますが・・・笑
ただこのことはわたし個人だけにあてはまるものではないと考えてます。
理由は、周囲の診断士資格取得者も、転職や独立した人が多くいるから。
取得後、1・2年の短期スパンで人生が変わるか判断する必要なんてありません。
「定年退職後を見据えて副業を始める」、「将来独立するために人脈形成する」、、、これだけでも人生に大きく影響を与えることになります。
難易度高く簡単ではありませんが、「いつかやろう!」では永久にやりません。「始めようかな」と思った時が始めとき。
診断士資格取得に向け、いますぐ一歩を踏み出しましょう。
ここまでお読みいただきありがとうございました。