中小企業診断士 診断士二次試験

たった3冊でOK|中小企業診断士二次試験対策おすすめテキストと勉強法

2022年3月4日

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中小企業診断士の二次試験対策中です。
おすすめテキスト情報が溢れてますが、少ない教材で効率よく合格するための教材や過去問の使い方など、合格率アップの具体的勉強法とともに教えてください。




本記事は、中小企業診断士二次試験を効率よく合格するためのおすすめテキストと過去問教材について、勉強法とともに解説します。


この記事で学べること

  • 中小企業診断士二次試験対策のおすすめテキストがわかる
  • そのテキストを活用した具体的勉強法がわかる
  • 試験委員の著書や論文を読むことの意味がわかる





中小企業診断士二次試験を計3度受験。
不合格だった2回は、二次試験で活用すべきテキスト選択ができていませんでした。
3度目の挑戦で突破した際、使ったテキストとその勉強法をお伝えします。


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中小企業診断士二次試験対策おすすめテキスト3選|過去問の使い方も紹介


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早速、中小企業診断士二次試験対策のテキスト・過去問教材3つを紹介します。



おすすめテキスト①:「ふぞろいな合格答案10年データブック」


まず最初のおすすめは、「ふぞろいな合格答案10年データブック」です。


「ふぞろいな合格答案10年データブック」とは


これは、中小企業診断士二次試験合格者らの再現答案を集め作成された書籍。

長年、受験生人気のシリーズなので知ってるかもしれませんね。

中でもおすすめは、この「10年データブック」。

2008~17年の10年分の、二次試験の問題と答案分析データ、模範解答がまとめてあります。



「ふぞろいな合格答案」と予備校の過去問教材との違い


資格学校・予備校などが販売している過去問ではだめなのでしょうか??



予備校の過去問模範解答は、講師陣が、時間をかけて議論してまとめたもの。

よって、試験本番に同じような回答を書くのは不可能です。



一方、「ふぞろい~」は、合格者が80分という限られた時間で、

どのように、事例文を読み

どのように、設問を解釈し

どのように、回答の方向性を出し

どのように、回答をまとめ

どのように、記述したか



がよくわかる教材となってます。



さらに執筆者も十人十色。

ストレート一発合格者もいれば、10年近く挑み続け合格した人もいます。



自分と似た境遇・似たレベルの、モデルとなるような合格者を探し、モデル合格者と同等の回答・文章を書けるのを目安とするのもよいですね。


■テキスト名   : ふぞろいな合格答案10年データブック

■おすすめ対象者 : 診断士二次試験を受験する全員

■勉強法    : 80分の限られた時間で、自分と似た合格者と同じような回答が書けるために活用する




独学・予備校通学・通信生問わず、二次試験対策に必須の教材ですよ。








おすすめテキスト②:「中小企業診断士 最短合格のための第二次試験過去問題集」



おすすめ2つ目は、「中小企業診断士 最短合格のための第二次試験過去問題集」です。


「中小企業診断士 最短合格のための第二次試験過去問題集」とは


この教材は、TAC出版販売の過去問(直近5年分)の教材です。


おすすめ1つ目に、「ふぞろい~」をあげましたが、本番試験は「ふぞろい~」を使って対応力を高めていくのがもっとも効果的と思います。


しかし、予備校の過去問教材がまったく不要かといえばそんなこともありません。

以下、活用方法を説明します。



予備校の過去問は回答そのものより「回答までのプロセス」が重要


予備校の模範解答は、「講師陣が時間をかけ議論してまとめたもの」。

よって、本番で同じような回答はまず無理でしょう。



しかし予備校講師陣が、時間と労力をかけまとめた回答に価値があることも事実。


個人的に、予備校の模範解答は、回答そのものより、

・事例文の記述のどこに着目すべきか。

・着目した記述をどのように解釈するか(強みとするか弱みとするのかなど)。

・どのように企業の問題点・課題点をあぶりだすか。

といった、回答を導くための手がかり探しに価値があると思ってます。




模範回答を見ると、「なぜその回答になるの?」と腑に落ちないことも多く、受験生時代、回答そのものは正直あまり参考になりませんでした。



一方、事例文の記述をどのように解釈すべきか?といった視点で見ると、「なるほど、そういう解釈をするのか!」と新たな気づきを多く得られました。



予備校の過去問教材は、上記を意識した活用がおすすめです。



■テキスト名   : 中小企業診断士 最短合格のための第二次試験過去問題集

■おすすめ対象者 : 診断士二次試験を受験する全

■勉強法    : 模範解答そのものよりも、事例のどの部分に着目したのか、そして着目箇所をどう解釈したのかを参考にする。(着目した記述は、事例企業にとっての「強み」であるのか、それとも「弱み」なのか?などを予備校の過去問解説を読み、解釈力を高める)





「ふぞろい~」は、2008年~17年の10年分の過去問掲載ですが、予備校の過去問は直近5年が掲載されてます。

掲載年度もかさならないため、各々切り分けて活用できますね。



2024年の試験を受ける方は、購入年度を間違いないようご注意ください。




おすすめテキスト③:「中小企業診断士 第2次試験 事例IVの解き方」


最後は、「中小企業診断士 第2次試験 事例IVの解き方」です。

この書籍は、わたしが受験生時代には「中小企業診断士 集中特訓 財務・会計 計算問題集」という名称で、ここの数年でリニューアルされ発売されています。


「中小企業診断士 第2次試験 事例IVの解き方」とは


このテキストは、財務会計・事例4強化の問題集です。


事例4の試験範囲となるテーマについて、重要論点を中心に問題が構成されており、実際に「講師がどう解くか」を解説してくれているため、難解な事例4が非常に腹落ちしやすくなっています。


診断士試験は、二次の財務会計科目(事例4)が合否をわけるので、得意にすれば合格が近づく一方、苦手にはしたくないです。






財務会計を「苦手じゃない状態」にするために


もし、財務会計を苦手と感じてるなら、最低限、「苦手じゃない状態」にもってきましょう


ではそのためにどうすべきか。


結論、毎日かならず60分確保して演習問題を解く。これにつきます。



財務会計は、一度定着させたと思っても、演習せず時間がたつと、感覚が鈍り今まで解けた問題も解けなくなることも。

特に二次の財務会計は、一次の択一と違い、電卓を使い指示通り回答用紙に記述する必要があります。


正確かつ迅速な計算力を身に付けなければなりません。


そういう意味で、紹介した教材を毎日継続し、4・5周くりかえすことで確実な実力が身に付きます。


■テキスト名   : 中小企業診断士 第2次試験 事例IVの解き方 (旧:中小企業診断士 集中特訓 財務・会計 計算問題集)

■おすすめ対象者 : 二次試験の財務会計が苦手もしくは得意にして他者と差をつけたい方

■勉強方法    : 毎日60分以上、問題演習を継続し財務会計の対応力を向上させる




ちなみにわたしは、この学習方法をつづけた結果、

過去3回の事例4は、A → A → B と高い点数をとれてます。



財務会計をやり込んで、他の受験生よりも半歩、抜きんでれるよう頑張りましょう。






3つのテキストで中小企業診断士二次試験対策は大丈夫?|結論:問題なし



二次試験対策として、この3つの教材で適当なのでしょうか?





ここまで読んできて、このような不安も感じるかもしれません。


しかし、わたしはこの3教材で合格し結論として適当と考えてます。




二次試験失敗談|予備校のテキストだけで挑んだ結果


わたしは計3回の二次を受け、1・2回目はあえなく敗退。3度目でようやく合格できました。


振り返って、取り組む教材が少なかったことも敗因の1つと感じてます。



1回目の受験では、一次を通過するも、二次で敗退。

2回目の受験では、一次を受験せず、二次一本で勝負。

2回目受験時は、予備校に通っており、「予備校講座を信じて、二次に向け全力投球しよう!」と挑むものの力及ばず。

予備校の過去問中心の対策だけでは合格できませんでした。



当時のわたしは、予備校の模範解答が「唯一の正解」と思ってました。
「さまざまな合格答案を分析し、自分のレベルに合う回答を書けばよい」という考えがなかったんですね。。。






3度目の受験では、それまでのやり方を刷新。

本記事紹介の教材を使った勉強法に切り替えたところ、自分には明確に合ってました。



もしあなたが、「テキストが多すぎてできないよ・・・」と感じるなら、無理に全部やる必要はありません。


状況に応じ、勉強する過去問年数を減らしたり教材を減らしたり、自分のレベルに合ったやり方を取り入れるのがよいと思います。


体感済|3つのテキストを合格レベルまでやり込むのは歯ごたえアリ



わたしの体感では、この3つを合格レベルまでやり込むのはかなりハードです。


ちなみに、合格レベルイメージはこんな感じ↓


■ふぞろいな合格答案 10年データブック
→過去問5~10年分を3回以上まわす

■中小企業診断士 最短合格のための第2次試験過去問題集 
→過去5年分を3回以上まわす

■中小企業診断士 第2次試験 事例IVの解き方
→毎日60分程度、事例演習と並行して問題を解く。第2部を3回以上まわす




「合格するにはテキストが少なすぎるのでは?」と思ったのなら、「これだけでも相当な力がつく」ということお伝えします。



しかし、漫然とこなすだけでは、事例対応力はつきにくいです。

・「事例文のどこを回答根拠とするのか」

・「強みを、どのように回答に活かして記述するのか」


など吟味しながら1つ1つの事例を解くことで確かな実力が身につきます。





中小企業診断士二次試験の勉強法|おすすめテキストを使った対策とは|事例4も解説


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ここからは、二次試験の具体的勉強法を説明します。


二次試験対策の勉強法①:過去問10年分の分析と演習


勉強法1つ目は、過去問の徹底分析と演習。


「そんなの当たり前でしょ」と思うかもですが、合格には過去問が最重要なので改めて記載します。



なぜ過去問が重要なのか


一次試験対策の別記事で書きましたが、考え方は基本同じでなので、詳細は省きます。

合わせて読みたい






二次試験の過去問を解く回数は、最低3回転。できれば5回転させましょう。


解く年数は、直近10年分。

10年分の過去問を、本試験までに3~5回転させるイメージです。




もちろん、教材は本記事紹介の

①「ふぞろいな合格答案10年データブック」

②「中小企業診断士 最短合格のための第2次試験過去問題集」


の2つで問題ありません。徹底的にやりこみましょう。



二次試験の過去問は80分を確保して解くのがベター


二次の事例問題を解く際は、事例4を除き、本番同様、集中可能な環境で80分制限で解きます。


理由は、二次は一次と違って「回答までのプロセス」が大事だから。


少しでも本番に近い状況で事例を解いてください。

(「回答までのプロセス」について、本記事にて詳細を後述します)




二次試験対策の勉強法②:難関科目「財務会計(事例4)」毎日の反復演習と対策講座もおすすめ


対策2つ目は、毎日財務会計の問題を解くことです。


事例演習では、1回あたり80分かかるため、1日で、事例1~4のすべてをやるのは厳しかったりします。


ただ、そんな中でも、財務会計はかならず毎日続けることをおすすめします。



というのも、事例4は管理会計・財務会計、ファイナンスや企業価値算定など、専門的内容も含め幅広く出題され、実際に電卓をたたいて解かなければなりません。



コツコツ継続してないと知識・解法・電卓の使い方(手を滑らかに動かす)をすぐ忘れてしまうんですよね。





試験本番、使う公式を忘れて解けなかった・・・みたいなことがないよう、毎日積み重ねましょう。




財務会計の具体的な勉強法


財務会計の反復演習では、過去問教材に加え、本記事紹介の「中小企業診断士 第2次試験 事例IVの解き方」を使います。

また診断士試験の合否を左右する「事例4」。対策講座の受講も価値ありです。



↓具体的勉強法はこちらをご覧ください。

合わせて読みたい


財務会計(事例4)対策講座 | どうしても苦手な人は?


「独学だけでは対処できない」、「効率的な学習方法を探したい」。
どうしても現状を打破できない場合は、予備校や通信講座に頼ってもいいかもしれません。

数ある講座の中で、わたしが二次試験攻略・事例4攻略でもっともすぐれていると思うのが「スタディング



理由は、通信講座に特化しておりスキマ時間で効率よく学習可能なことに加え、何よりスタディングは二次試験対策において、相対的にコストパフォーマンスがもっともすぐているからです。


特に財務会計(事例4)対策では、すべてのコースに「2次試験 事例4演習講座」が組み込まれています。

■スタディング中小企業診断士講座 コース別二次試験メニュー

ミニマム
コース
スタンダード
コース
パーフェクト
コース
2次合格メソッド講座
2次試験 事例Ⅳ演習講座
2次基礎講座
2次試験過去問題集
AI添削(過去問5年分)
出典:スタディング公式HP



他社では、事例4講座を別料金オプションとするところもありますが、追加料金なしで授業を受けれるスタディングは一歩優位にあるように思います。



とはいえ、予備校・通信講座選びは自分との相性が大切。

まずは、複数の無料体験講座を受けて、自分に合うか否かを確認してから、購入してくださいね。(スタディングの場合はメールアドレスの登録程度で体験講座の受講が可能です)

※来年度に向けたコースも更新が進んでいるようですので、キャンペーン適用などを踏まえうまく活用くださいね。


スタディング無料体験講座





二次試験対策の勉強法③:回答プロセスのコントロール


対策の3つ目は、「回答プロセスのコントロール」です。


二次は筆記試験のため、「記述までのプロセスコントロール」がとても大事です。


人によって、書き終えるまでのプロセスは違いますが、わたしは以下のとおりでした。


  • 設問解釈(5分)
    ≫いきなり与件文(事例文)を読まず、最初に、設問を読みます。
    どんなことが問われているか「解釈」し、
    すべての設問から、事例企業のストーリーや傾向を間単にイメージします。

  • 与件文読み込み(20分)
    ≫設問解釈でイメージした企業のストーリーを頭に入れながら、与件文を読みます。
    1度目は、通読。
    2度目に、設問の答えを探しに行きます。

  • 回答の検討(20分)
    ≫問題用紙の余白を使い、各質問へどう回答していくか、殴り書きメモや図解を用いて整理します。
    もし回答がまったく思い浮かばなければ、再度、与件文に答えを探しに行きます。

  • 回答記述(25分)
    ≫殴り書き図解とメモを見ながら、回答しやすい設問から記述します。
    「体言止め」や、なるべく漢字を使うなどして、コンパクトに編集します。

  • 見直し修正(10分) 
    ≫時間の許す限り、見直し修正をします。

  • 提出





事例の1~3は上記方法で対応。

事例4は財務会計の事例のため、ここまでガチガチには固めませんでした。





プロセスコントロールの具体的やり方


コントロールのためには2つのことを行います。


1、「プロセスごとの時間配分」を決めておき、決めたとおり解く

2、「プロセスごとに行うこと」を決めておき、決めたとおり解く



1については、記載のとおり。


もしこれまでプロセスごとの時間配分を決めてなければ、試しに一度やってみてください。

わたしの場合、時間配分を決めなかった時より効率とスピードが向上。

制限時間内で、質の高い回答が書けるようになりました。



2は、各プロセスで実際に行う作業を決めるという意味です。

たとえば「与件文を読み込む」プロセスで、「企業の強みと弱みを抽出する」としたら、「どのように行うか」まで考えましょう。



具体的にはこんなイメージになります。


■「与件文読み込み」プロセスで行うことの例

→「企業の強みと弱みを抽出」する。

■「『企業の強みと弱みの抽出』をどのように行うか」の例
→企業の「強み」を黄色蛍光ペンでマークし、「弱み」を赤蛍光ペンでマークする。



自分なりに、各プロセスに費やす時間と、具体的手法を確立させると得点も安定し効果的です。



プロセスコントロールの精度向上のために予備校会場の模試を活用


プロセスコントロールは、予備校の模試活用で精度をあげれます。

模試はLECTACなど大手予備校ならどこでも受けれるはずなので、各校の案内を確認しましょう。

ちなみに通信講座だと、二次の模試を扱ってないところも多いので注意してください。



本番と同じ環境で、自分で考えたプロセスコントロール方法を試してみましょう。


実際やってみると、「合う/合わない」が実感できるので、しっくりこなければ別のやり方を取り入れます。



先ほどの、「企業の「強み」を黄色蛍光ペンでマークする」の例であれば、「黄色より青の方が「強み」のイメージと結びつきやすく、一目で「強み」とわかりやすいので、青の蛍光ペンに変えよう」など、マーカーの色を変更するといったことです。




とても細かいですが、限られた時間で最高の回答を記述するには、プロセスの細かな修正が重要になります。


ただ、ベストな方法がいきなり見つかるとは限りません。


模試をうまく使って、PDCAを回し、自分に合ったやり方を模索しましょう。





中小企業診断士二次試験対策はいつから始めるべきか?



はじめて一次試験を受けます。二次試験の対策はいつから始めるべきでしょうか?




結論は、一次試験と並行して対策をすべきです。理由は以下のとおり。

  1. 二次試験の方が難易度が高いから
  2. 二次試験は上位20%を争う相対評価試験だから
  3. 「二次試験での問われ方」を把握する必要があるから





診断士試験は、一次より二次の方が難しいものの、一次試験後の二次当日までは約3カ月弱。

難易度は高いのに勉強時間は少ない・・・これってあまりいい状況ではないですよね。



また、二次試験は上位20%だけが合格できる相対評価。しかも争う相手は一年間、二次に注力した受験生。


初学者とは、勉強時間が圧倒的に違います。

複数年受験生を相手に戦わなければならないことも踏まえると、一次試験後からの対策だとやや厳しいかなと。



とはいえ、一次が不合格なら本末転倒。


ではどの程度二次対策をすべきなんでしょうか?



結論としては、「二次試験の設問を把握する」程度で充分です。


一次と二次を効率的に関連付けるには、二次での問われ方をイメージしたうえで一次を学習することだからです。

これだけでも二次合格率が高まりますよ。




「受かる気がしない」「難しい」|中小企業診断士二次試験対策でやるべき最後のこと



教えてもらった対策もすでに実施済です。ほかにやるべきことはありませんか?




二次試験委員の著作を読む


上記をすべて実施済。

でも「受かる気がしない」という方には、試験委員の書籍や論文を読むことを提案します。



試験委員の著作物=試験委員の思想


著作物を読む意味は、「試験委員の思想を知るため」です。


たとえば、長年の事例2の作問者の(と噂される)岩崎邦彦先生は、大学で中小企業マーケティング研究に従事し、成果としてたくさんの書籍も出版してます。



では、試験委員が事例問題を作るとき、どのように企業のストーリーをつくることが考えられるでしょうか?


もしかしたらその委員は、人生の大半を費やした「研究内容」をストーリーに取り入れたくなるかもしれません。



少なくとも自身の研究を否定するストーリーをつくるはずはないですよね。





であれば、論文や書籍には、作問者の根本的な考えを知るヒントが隠れてる可能性もあります。


そういう意味で、試験委員の著作物を読むのは対策として意味はあると考えてます。



わたしが受験したH30年の事例3と、出題委員の本田康夫先生の論文を引用して例にあげてみます。

≫H30年度 中小企業診断士 二次試験 事例3
「最近C社は、成形加工の際に金属部品などを組み込んでしまう成形技術(インサート成形)を習得し、古くから取引のある顧客企業の1社からの受注に成功している。

それまで他社の金属加工品とC社の成形加工品、そして顧客企業での両部品の組立という3社で分担していた工程が、C社の高度な成形技術によって金属加工品をC社の成形加工で組み込んで納品するため、顧客企業の工程数の短縮や納期の短縮、そしてコスト削減も図られることになる。」

≫試験委員 本田康夫先生の論文
「その後,品質向上とコスト競争に勝ち抜くために,プラスチック射出成形時に金属プレス部品を組み込むインサート成形品に設計変更。それを機に一層トルク精密工業の生産量が増加している。

インサート成形とはプラスチック成形の方法の1つで、金型内に埋め込むインサート品を装填した後、成形機にプラスチック材料を注入し、そのインサート品を溶融プラスチックで包み込み固化させ、プラスチックとインサート品を一体化した複合部品をつくる工法である。

これによって、従来「金属プレス加工」⇒「プラスチック射出成形加工」⇒「組立」であった工程数は、「金属プレス加工」⇒「インサート成形」となり精度の向上をはじめ工程数の短縮化が図られ、納期の短縮、そしてコスト削減も図られた。」



かなり似てないでしょうか。



参考までに、以下に記事執筆時の二次試験出題委員(出典:中小企業診断協会HP)の著作の一部を載せておきますね。






■出題委員:桑田耕太郎先生の書籍(組織人事)








■出題委員:岩﨑邦彦先生の書籍(マーケティング)









■出題委員:本田康夫先生の論文(生産技術)


※インターネットから無料入手可。

 




■出題委員:齋藤正章先生の書籍(財務会計)







この中のどれか1つに絞るなら、岩崎邦彦先生の「スモールビジネスマーケティング」をおすすめします。

中小企業のマーケティングが読みやすく書かれており、読み物としても面白いです(岩崎邦彦先生の書籍はどれもおすすめです)。







注意|試験委員の著作物はあくまで参考程度に


試験委員の著作物は、あくまで「余力があれば読んでみる」程度にしましょう。


理由は以下のとおり。

・どの委員が二次の事例を作成しているかは不確かなこと

・何年かごとに委員の変更があること

・そもそも試験委員全員の著作物を読むのは無理なこと




よって労力をかけること自体、本末転倒ですよね。


先の事例3の例も、類似設定だっただけで、試験の正解が書かれていたわけではありません。


試験対応としては、あくまで出題された事例企業の設定が最優先ということを忘れないようにしましょう。





一次試験の知識の再確認


一次試験の知識の再確認・復習も忘れないようにしましょう。


試験は二次が難関なので「事例を解くテクニック」に目が行きがちですが、「二次は一次の知識を応用して解く」点も忘れてはいけません。



たとえば事例企業A社が、「組織活性化」の課題があるとします。

では、「組織活性化」策がどのくらい思い浮かぶでしょうか



ここで思い浮かぶ数が少なければ、そもそも知識が足りてないかもしれません。






事例問題は、設定に沿った回答が原則で、知識を一人歩きさせても受かりません。

しかし事例1や3の戦略助言系は、根拠が与件文にないことも多く、知識不足だと合格回答を書けない可能性もあります。


思い当たるなら、再度一次知識の確認・インプットをしましょう。






まとめ|中小企業診断士二次試験対策に適切な勉強法を取り入れよう


ここまで、診断士二次試験対策におすすめテキストとその勉強法について述べました。



3度の受験経験を経て感じたのは、あたり前ですが、「テキストの数が多すぎても少なすぎても合格できない」ということ。


初学者は、このあたり見極めが難しく、逆に複数年受験者はどのくらいが適当なのかもわからなくなってくるかもしれません。


本記事を参考に、効率的な学習で最短合格を目指していいただけたらと思います!



ポイント

  • 二次試験対策におすすめのテキストは、①ふぞろいな合格答案10年データブック、②中小企業診断士最短合格のための第2次試験過去問題集 、③中小企業診断士集中特訓 財務・会計計算問題集の3つ。

  • テキストは多すぎても少なすぎても合格できない。それぞれ目的に使い分けて効率よい勉強をしよう。

  • おすすめテキストをやりこんだら、試験委員の著作物にも目をとおすのも効果があるかも。





ここまでお読みいただきありがとうございました。



二次筆記のあとに控える口述試験もしっかり対策をとるようにしてくださいね。


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一次試験合格者におすすめ






※本記事でご紹介したテキスト





2024試験を目指す場合は、購入年度を間違いないようご注意ください。

































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